普段は使わない箱を、天気の悪いときには利用することもある

雨が激しそうだったので、車に箱を積んで出かけた。本を運ぶときには、縛って体の両側に提げ持つ。これがもっとも効率がいいし、前屈みにならないので、体のためにも安全である。持って帰った後も、どこにどの本があるか一目瞭然であるし、箱から取り出す手間もない。
しかし、雨の中では裸の本が濡れてしまう。普段は使わない箱を、天気の悪いときには利用することもある。
松月庵でチャーシュー麺を食べ、息子一号と出発。コインパーキングの入り口看板に車をこすった息子一号は意気消沈で運転を交代。
最初の家は「浮世絵」とだけ聞いていたのだが、行ってみれば案の定、浮世絵を印刷した本であった。しかも、二重の箱に入った豪華本が押入にいっぱい。冊数は少ないが、一冊あたり数キロから10キロほどもあるので、それだけで車半分が埋まってしまった。
二件目は、銀行家で画家だったという方のお宅。百歳まで長寿されたとのお話からすれば少な目だったかもしれないが、戦前戦後の美術書などがいくらかあり収穫。長谷川潔の銅版画集など。
雨は小やみになったが、激しい風が吹き始めた。押さえておかなければ、車のバックドアが勝手に閉まってしまうほどだ。
最後は東京女子大。研究室の片づけものを五百冊。
店に帰ってみると、外の百円均一に置いた本がかなり濡れている。嵐のような風がビニールのカバーをあおって雨が吹き込んだらしい。今日は車から本を降ろすのをやめにして、後はひたすら値段付けである。
店長が買って置いたキリスト教の本を整理するが、私の好きな神学や宗教学の本ではなく、説教書だったので、仕事がはかどらない。終わらないので、7時すぎで本日は終了。
夕飯は鶏のロースト、蛸セロリ、豆苗の炒めものなど。いつもおいしいご飯を作ってくれる女房殿には感謝である。