夢の中でほっぺたを噛んだ

夢のなかで、ほっぺたを噛んだ。いや、噛んだのは夢ではなく本当である。その痛さで目が覚めた。昨日の明け方のことである。こうして、私の50歳は始まった。いや、法律的には誕生日にはまだ歳が増えないそうだから、40代最後の日というべきか。一日中、舌先で触れば地の味がするほどの傷が残った。
夕べは生日会という名目で、女房殿にステーキをご馳走になった。第一ホテルの中にある武蔵野吉祥。下にあるローラアシュレイには前日に強盗が入ったそうである。伊勢エビと牛肉を堪能したがいささかワインを飲み過ぎた。そして、美味さに比例して料金が高い。飽食を過ごすと安眠を妨げる。女房殿も私もともに悪夢を見た。狂人ばかりの入院先で、誰にも通じない携帯電話。しかし、女房殿が迎えに来てくれたところで、目覚まし時計が鳴った。
息子一号は、中央市会へ朝7時に出勤、私と佐藤店長は遅れ気味にお店へ。給料日なので佐藤店長は銀行に振り込みに行く。その間私は、「日本の古本屋」に来た質問に答えたり、今後の仕事について考えたりして過ごす。帰ってきた店長と二人で、事務所にてサラダとスープの昼食。午後は不動産屋さんを回って、なかなか惜しい物件を逃したことに気づく。
毎日手に触れる本が平均して500冊。それらの本のほとんどについて、数行、場合によっては数ページを読む。知識と経験とその数行、あとは勘で本の価値を判断して値段を付ける。ユダヤ教徒は魂の救済を自我の問題として考えない、だからキリスト教徒からはほとんど無神論者のように見えるとうい文章が、今日は印象に残ったのだが、誰の何という本だったか思い出せない。
10時に閉店して佐藤店長と帰宅。風が強いので、雨だが傘をささずにレインウェアで歩く。きのう誕生日プレゼントにもらったマウンテンパーカーがもう役立つ。二人とも疲れ気味なので、焼酎を飲みながら仕事の進め方について言い合いのようになっているところに息子一号が帰宅。
少し風邪気味で、熱っぽい。こういうときはドストエフスキーを読むにかぎる。BGMはピーター・ウエスペルウェイ演奏のバッハ無伴奏チェロ組曲。