トレンドウォッチング
目的の3。これこそが、裏の本当の目的だ。韓国トレンドウォッチング。
ファッションや漫画アニメなどのサブカルチャーや、エレクトロニクスや自動車産業などの経済活動など、韓国は日本のすぐ後を追いかけてくる分野がたくさんある。追いかけるものは意外に未来の種を宿していることがある。追いつこうという勢いが余って先を見通すことがあるのだろう。
よみた屋はセレクトショップではない。あらゆる本が自由に通っていく道だ。人と本が交わる交差点である。したがって、私のセンスで本を選んでいるわけではない。選んでいるわけではないが、お客さんによって本は選ばれてゆく。選ばれたものが何なのか、どういう意味で選んだのかを理解できなければいけない。次の仕入に生かせない。
その意味で、われわれの店ではセレクトショップ以上のセンスが問われている。好みや興味に限定されず、あらゆるニーズに対応できなければならない。(そんなことは実際は不可能だけれども、少しでもりそうに近づく努力をする)。
異文化を体験することはセンスを新鮮にするために、重要な契機になる。異文化から日本をさい照射すれば、今までは見えなかったものが見えるようになるのだ。
というような理屈はさておいて、韓国の女の子は美人が多い。美容整形が一般的だからだとKは言うが、そればかりではないようだ。まずスタイルのよい子が非常に多い。これは畳に座る文化と、イスに腰掛ける文化の違いだろうか。しかし、歩き方はガニ股だ。ルパン三世のように歩いている人がいる。
色が白く髪は黒く、ほとんどの人がストレート。日本人のように髪に空気をはらませている人はいない。おでこをラウンドカットにした、あごラインぐらいのボブがたくさんいる。日本にはない髪型だ。長い髪をひっつめている人も多い。(特に美人に)。
髪型だけではなく、ふわふわヒラヒラした服を来ている人はいない。みんなウエストをシェイプした颯爽としたいでたちで、すたすた歩く。3人以上でかたまってだらだら歩いているような人はいない。
日本のように思い思いのファッションをしている人はあまりいない。美大や女子大の近くに行っても、アヴァンギャルドな人は見かけない。その意味では、画一的である。みんな「かっこいい」系のよく似合った服を着ている。白地にプリントのTシャツに黒いテーラードジャケット、ジーンズというのが典型的な服装である。どの人も必ず、首にストールやマフラーのようなものを巻いている。
印象的なのは誰もがニコニコしていること。男と話している人も女性同士で話している人も、みんな目をキラキラ輝かせて、真剣に相手の話を聞いている。すれ違う人と目があったようなときでも、ツンとするような人はいなくて、こころもちニッコリしてくれる。
それに比べれば、日本人の女性は道行くときに、酸っぱい顔や渋い顔をしている人が多い。(男性はだらけた顔をしている)。屋台のおじさんにおでんの値段を聞くときも、疑わしそうな目つきをしていて、少しも食べたそうではない。
東大門市場(アメ横風)や梨花女子大前(原宿風)、狎鴎亭(銀座)、明洞(新宿)などの問屋街やファッションスポットで観察した限りでは、韓国は日本よりずっと元気がいい。また、仁寺洞の「サムジキル」(表参道ヒルズのような建物)には若いアーティストの作品を売るギャラリーや、手作りのアクセサリー店などが並んでいて観光地の商店街のようだが、売っているものは質が高くて、面白い。