合計8000冊ぐらいになりそうだ。重さにして、3トンから4トンぐらいか

石神井公園のほとりのお宅に、再び出張買取。本が買いたくて古本屋になったのだから、たくさんの本に埋もれるのはいわゆる「うれしい悲鳴」だ。ヴォルテールからシムノンまでフランス語を中心とする洋書1000冊と、経済や文学の和書500冊。MTには残業してもらって車に積み込む。

もちろん全部は終わらない、次回は運送屋さんを連れてきて、のこり約5000冊を一気に片付けることにする。当初は全部で500冊ぐらいかと思ったが、倉庫の中にぎっしり詰まった本が、思いの外おおかった。すでに3000冊近く持ち帰っているから、合計8000冊ぐらいになりそうだ。重さにして、3トンから4トンぐらいか。

この本を処分するに当たって、お客様は、ずいぶんあちこち回られたそうだ。神田の店にも直接持ち込みしたらしい。数学の本などもあるので、それなりに買取はされただろうけれど、出張すると答えた本屋はいなかったそうだ。元の持ち主の仕事が、著述業や研究職なら良かったのだが、金融関係のご職業だったので、老舗本屋の重い腰が上がらなかったようだ。

知っている人が多いと思うけれど、今世紀に入って社会科学の本は暴落している。経済や法律を扱う本屋もほとんどなくなった。本が全体に安くなったと言え、この分野は全体の傾向を遙かに超えて壊滅的だ。

神田の専門店は、扱う本が細かく分かれていて、しかもその分野の良くある本は喜ばない。だから、さまざまな本をお持ちの一般の方なら、古本の出張買取は地元本屋に頼むのが、やはりいちばんいいと思う。

その他には三鷹で数百冊の出張買取。内容はほとんどがベストセラーもので、持って帰ったとしても100円均一。マンションの3階だが、なんと明日から使えるエレベーターが目の前にある。やる気がしぼんでしまって、100冊ほど買い取って、後は廃棄してもらうことにする。

洋書の大半は市場に出すことにした。当店に本を売ってくださる方は、よみた屋の本棚に自分の本が並ぶことを期待されているので、なるべくなら買い取ったものをいきなり市場に出すのは避けたいのだが、現状では外国書をあまりたくさん置くことができない。仏語書は売れることは売れるのだが、店主の語学力が足りないため、値段つけをするスピードが和書の半分以下になってしまう。だから、一度にたくさんの洋書をさばくことができないのである。

少し迷ったが、月曜日の中央市ではなく、直近で出しに行ける洋書専門の市会に出品することにした。洋書会では、各国語を理解する会員がいるので、本の仕分けもやってくれる。