ゴアテックスの靴
玄関を一歩出たら脛まで雪に埋まってしまった。ゴアテックスの靴を履いていても、これでは足首から水が入って来てしまうので、既に数人の人が並んでいるコミュニティー・バスの列に着いたのだが、待っていてもバスがくる気配はない。さては運休かとバス停の表示を探すも貼り紙などはないので、運行会社に電話してみるが、繋がらない。諦めて歩く。轍は深い水たまりになっているし、雪の上を歩けば埋まる。おぼつかない足取りで、それでもいくらかはましな足場を探りつつ駅に向かう途中、ハイヒールのブーツを履いた女子が抜かしていった。なるほど、細いかかとが雪に刺さって滑らないのだ。もしかしたら、最近のヒット商品である雪道用の滑り止めアダプターを付けていたのかもしれない。数回危うく転びそうになりながら駅前に到着したが、吉祥寺大通が川のようになっていて渡れない。遠回りして、水の少ない横断歩道を探す。快速列車が駅に止まっていて暖かいのだが、発車する様子がない。「運行を見合わせている」という状況か。仕方がないので、総武線の各駅に乗って吉祥寺を出発。しかしこちらの車内は暖房が効いていなくて、ドアも多く各駅に止まるのでひどく寒い。みんなびしょびしょに濡れているのだから、乾燥室よろしく暖めてほしいのだが、気がきかないものだ。30分遅れて古書会館に到着。本来なら、普段より一二時間早く家を出てでも集合時間に間に合わせるべきだったのだろうけれど、その気力がなかった。ゴアテックスの靴は、表面の撥水がとれてきているので皮には水が染み込んだが、さすがに内部は濡れていない。足首から入り込んだ雪がわずかに靴下を濡らした程度だ。それを履き替えてすっきりした。一日中大市のための品物を会場に並べる肉体労働。12時に昼ご飯のお弁当、3時におやつと、時折休憩を入れつつだが、体力のない私には一時間以上連続する労働はキツい。もう少し鍛えておかないと、いざというとき働けない。6時過ぎに解散。お店によって女房殿と一緒に8時帰宅。よみた屋の従業員がくれたのでチョコレート4つ。