スタッフの募集
よみた屋では現在スタッフの募集をしています。http://www.yomitaya.co.jp/html/recruit.html ここ数年は、学生と主婦のパートタイムを中心に採用しています。よみた屋のフルタイム従業員は2枠。原則として独立をめざす方に働いていただいています。そのうち1枠が若旦那で埋まっており、一昨年独立者を出したばかりなので、もうひと枠もしばらくは空きそうにありません。
独立をめざす人を採用し始めたのは約10年前からです。その前には支店があったので、店長候補が採用基準でした。私もまだ体力がありましたし、通販もやっていませんでしたので、吉祥寺店では補助的な仕事しかスタッフに求めませんでした。また、古書組合から「古本屋開業講座」を依頼されて、人材育成を意識するようになったのもそのころです。
実際に独立を果たした人は4人です(内1人は廃業)。だいたい働き始めてから4~5年で独立するペースです。2年程度でお店の業務はほぼこなせるようになりますので、3年目ぐらいから「古本屋」の修行が始まります。本に関する知識は永遠に勉強する必用がありますが、本を補修したり運んだりする基礎的な技術は簡単なので、独立する気が心の底にある人にとっては5年ぐらいが限度なのではないでしょうか。たとえ未熟なまま開業してしまったとしても、食品のように人の命にかかわる危険のある仕事ではないので、やりながら学んでいけばいいのです。どうせ古本屋としての修行は無限なのですから。
この春の募集は午後から夜の時間帯で働ける方を2名程度採用する予定です。学生を中心に募集しています。というのは、短時間の仕事ですので、よみた屋の仕事だけで生活できる給料は支払えません。仕送りのある学生が補助的な収入を得るためならよいのですが、そうでない場合はどうしても他の仕事を掛け持ちしなければならないでしょう。多重労働に関する法務は複雑で、当社のような零細企業の扱えるものではないからです。
労働基準法第では「事業場を異にする場合においても労働時間については通算する」と定めています。副業などで2ヵ所以上で勤務した場合、労働時間を通算して、超えた分には割増賃金(残業手当)が払われなければなりません。どちらが払うかについては議論があるようですが、実際に支払われる例はまれなのではないでしょうか。ただし、労働審判などで請求されれば、支払わざるを得ないことになるかもしれません。
副業が当たり前の世の中に、そんな規定はそぐわないので撤廃しろという意見もあります。しかし、もし撤廃されれば多くの企業が会社を二つ分けて、残業になるタイミングで労働者を入れ替えるでしょう。そうすれば残業手当を支払わなくてもすむからです。この規定には、そういう抜け道を防ぐ意味があるのです。
この日は開店前に紙材料屋さんが待っているので、遅刻せずに出勤。道の向かい側のビル解体につかっているコンプレッサーから機械音が響いてきて、店の奥まで低音が回り込んでくる。耳が押されるようで、歯が痛くなりそうだ。現場の方にお願いして、防音シートの陰に移動してもらうようにお願いする。
俳優養成所の卒業公演を終えたIAは明日オーディションのために休み。いつもピンチに来てくれるERはスペインに旅行中。他の夜アルバイトは二人いるのだけれど、こういうときに助けてやろうという男気にとぼしく、店長と二人で閉店まで店番。もちろん、有限会社の役員である我われには残業手当は出ない。