無料集荷と出張買取の方法

本日の出張買取は3件。量が多そうだったので、佐藤店長と二人で少し早めの出発。12時に最初のお宅。ビジネス書など時事的なものが多いので金額はさほど行かなかったが、お宅の裏にある倉庫から400冊ほど。ご主人には内緒で片付けているとのことで、これはほんの一部分らしい。
松月庵の駐車場がいっぱいだったので、西荻の坂本屋で店長はカツ丼、僕は定食を食べる。カツ丼を薦める元祖グルメ山本益博の色紙が毎年変わるが、今年のにはここのカツ丼には「東京の郷愁がある」と書いてあった。本日の定食は細切りジャガイモと豚肉の炒めもの。ザーサイが少量入っている他は、いろどりのための野菜などはない。見た目は金の取れる料理に見えないが、これが実にうまい。
練馬は、大きな本棚があったが漱石全集や百科事典の傷んだもので、買い取りの対象になる本はほとんどなかった。
最後は目黒。近くではないが、お店に来てもらって出張の依頼を受けた。よみた屋では運送屋さんが本を引き取りに行って店に到着してから査定する「無料集荷」と、僕が直接出向いてその場で査定するいわゆる「出張買取」(宅買)とがある。今回は少し話しに行き違いがあり、無料集荷と出張買取の方法についてお客様に誤解させてしまった。つまり、日取りを決めて僕が出向いているのだが、その場で査定するのではなく、ただ持ち帰るのだと思っていらした。
査定と持ち出しを同時に行うのが多くの古書店のスタイルだ。よほど大量の場合や、むずかしい品物のときには預かることもあるが、普通は金額を決めてから梱包して運ぶ。あとから金額の齟齬が生じても、戻すのには手間がかかる(あるいは不可能)なので、あらかじめ納得してもらってから作業を始める方がスマートだからだ。
最近の若い本屋さんでは、自分で出張しているのにもかかわらず、持ち帰って後日精算という人も増えているらしい。商売のやり方も世につれて変わっていく。お客様と商店の気分の変化は、そちらの方に向かっているのかもしれない。
無事に30箱を開梱して査定の上、買い取らせていただいた。全体に少なめの詰め方だったから、600冊ほど。(もし、箱のままだったら車に乗りきらなかっただろう。)
店に降ろして、店長は車を戻して帰宅。僕は、例によって店で使うもの、市場に出すもの、均一に仕分けしてから帰宅。牛すじの煮込み。食後風呂から出ると、女房殿はすでに就寝。