MRIを撮った

手のひらにできたふたつめのガングリオン(らしきもの)がやはり気になるので、病院に行ったら検査機関でMRIをとってこい、と言われた。思わず「死ぬんですか」と訊いた私に、医師は笑いながら「そのような病気とは考えられないですが、ガングリオンではない可能性もあります。その場合、腱がぶ厚くなる病気かもしれません。その病気なら、手の動きが悪くなることはあり得ます」とのこと。
ピアニストではないからそれほど悲観はしないが、やはり病気かもしれないというのは不安な気持ちである。
MRIをとるところはお茶の水だった。たぶん医師は若いアルバイトらしき人だけで、数人のナース(検査技師?)と事務員だけで、つまりほとんど若い女の人である。80万人に1人は死ぬけどいいですか、という確認書類にサインしたあと、膝下丈のワンピースのような検査着を着せられて待つこと1時間。脚が寒いし、スカートになれないからなんだかスースーして落ち着かない。膝をつけて座るように意識していないと、かなりみっともないことになりそうだ。
手のひらの写真を撮るだけなのに、ベッドに寝かせられて動かないようにベルトで固定された。装置から大きな音がするとのことで、音楽のかかったヘッドホンをかぶせられる。
「では、検査はじめまーす。右手動かさないでくださいね。動いちゃうと、やり直しになって何時間もかかりますよ」の声と共にベッドが動き始めて筒の中に入ってゆく。ナースたちは離れていったようだが、腰痛のせいもあって首を上げられないので回りの様子がわからない。
なるほど、大きな音がする。がんがん、がんがん、という音がしばらく続いたあと、ゴーゴーという音がするパターンが何度か繰り返され、30分程度で一度ベッドが戻された。
今度は造影剤(ガドミウムを主成分とするマグネビストという薬)を点滴注射して再度撮影。
「注射は嫌いですか。好きな人は少ないですね。私も、大嫌い。こないだ、健康診断で注射されたときは泣き叫びました」とか言いながら、人の腕にブスッとやるのはどういう事だ。
2度目の検査は15分程度だったか。左手に注射した造影剤がそんなにすぐ右手に達するものかと思って、調べてみるた。
心臓の鼓動一回で送り出される血液の量は70ミリリットル、体重60キロの人の血液は約5リットルなので、心拍70回程度で体内を一周することになる。約1分だ。そんなに速く血はめぐっていたのか。毒蛇にかまれた人が、あわてて血を吸い出すのは意味がないのか。いや、あれは皮下の毒を吸い出しているのかな。
ともあれ、結果は来週の水曜日聞くことになっている。