タダで仕事をする人はいません

宅買い2件である。
一件は1700冊とのことで、時間がかかりそう。そこで、180x90の本棚と段ボール2箱というお宅に先に行こうとしていたが、「仕事の都合で夕方にならなければ帰らない」、とのことなので、後回しにする。
1700冊のお宅は機械工学500冊、歴史500冊、文庫500冊、他200冊という話だった。行ってみると、一軒家なのだが、一階はアパートにして2階が自宅という構造である。階段おろしが大変だなと思いながら訪問。しかし、いざ玄関を入ると、本はそこに集められて300冊ぐらいしかない。
「一所懸命集めたけれどこれだけだった。」どういうこと?
昼飯はいったんうちに帰って、ソーセージとさやえんどう。
無料集荷サービスの本30箱とどく。ほとんどが全集もの。買取価格表の最初を文学全集にしてから、全集の専門店のようになってしまった。解禁はしたけれどこれほど多いと、やはりまたお断りするか。どこの古本屋でも、全集は全く買わないと見えた。
男店員Aはデパートに持ってゆく本の当て紙にするための新聞紙をタテバに買いに行く。
夕方再出発して、宅買い。自費出版の詩集など多し。アイヌ関連の本などに買えるものあり。しかし、ほとんどは状態も悪いし、買い取り対象にならない。しかも段ボール2箱というのは、同じ本ばかりが入っている。出版社から送ってきたものだ。選ばせてください、とお願いするが、「タダで全部持って行け」としつこく言われる。
「タダで持って行って、資源ごみの日に出せばいいじゃない」
「僕らは事業者なので、そうはいかないのですよ」
「大の男が二人も来て、けちけちしたこと言ってんじゃないわよ。ただでいいから持って行きなさい」
ついには全部置いて行くつもりで、「タダで仕事をする人はいません!」とキレる。僕らは、行政からお金をもらってるわけではない。売った本の代金で営業しているのだから、売れないものを買い取ることは出来ないのです。
A店員、A店長代理、新人女店員Tを連れて、TONY’Sのピザを食べに行く。しょっちゅう食べに行くのだが、毎度うちの店は初めてだっけと聞かれる。よみた屋ですよ、と言うと、「なんだよみた屋さんか。はやく言ってよ」と毎度のやりとりである。ご主人のトニーさんは、ケネディのフリークで、大統領になるときの選挙戦の演説を追って全米を回ったという。