伊豆に一泊キャンプ
久しぶりに次男を連れて、キャンプに行ってきた。西伊豆土肥。到着したとき、キャンプ場オーナーはまだいず、しばし待っていると、岸田今日子のようなインテリ風女性が、原付で現れる。客は我われだけ。
土肥の街におりる。車で10分ほどだ。伊豆は海から直接山がたっている。
漁師の経営する民宿で、遅い昼食。「地のものはぜんぜん違うよ」と伯父さんが大見得をきるだけあって、東京では考えられない新鮮さ。いつもは小食の次男も、御飯をお代わり。共同浴場の温泉につかり、キャンプ場に戻る。
待っていたのは、さっきの女性の夫らしきオーナー。薪をもらい焚き火をしてると、オーナーがやってきて、一時間ほど農業談義。自分は教育を受けていないからと、少々拗ね気味なれど、話はなかなか科学的。
「東京の人は、有機農法無農薬というけれど、土を肥やしたって百姓は成り立たない。細胞膜を通るのは、バクテリアが分解したのちの無機物なんだから、農薬の有機か無機かは関係ない。要はやりすぎにならないこと。やりすぎるから、植物がタンパク質過多になって虫やバクテリアが寄ってくる。それで、農薬が大量に必要になるし、腐りやすい。肥料の量や時期が適正な野菜は比重が重く、食べたときアルカリ性になる。その程度のことは勉強してから有機農法について能書きをいって欲しい」
とのこと。実は、化学式がぽんぽん飛び出して、話は半分ほどしか理解できなかった。よくわからないリキュール(つまりその辺になったものを漬けた酒)をもらってお休みなさい。
翌朝はひどい雨。オーナーの息子さんらしき人物が現れて、タープの張り方を調整してくれる。椎茸栽培場に連れて行ってくれて、もがせてもらった。これはうまい。そして、物理のじっけんのはなし。
オーナーはもとシンビジューム栽培のプロ。自宅に来れば一鉢あげましょうと、いわれたが次の約束があるので、雨の中を撤収強行。急ぎ真鶴に向かう。
真鶴では磯料理「岩忠」。小金井の某書店の妹さんが女将を務める、古本屋にはやさしい店。舟盛りの真ん中にいる伊勢エビが、宝物をまもる龍の如し。脚を振り回して、なかなかサザエやイカを取らせてくれない。巨大ヒラメも跳ねる跳ねる。食べ終わった後も動いていて、水に戻せばそのまま泳いでいきそう。
夕方帰宅。風呂に入ってお休み。今日は、夕飯はもういいや。