他で断られたものでもぜひ相談してください
きのうはデータベースに登録した本の値札を印刷することができなかった。マークの画像ファイルが見つからないという、簡単なトラブルだが、もう家に帰ってしまっているのでパソコンの画面を見て直すことはできない。とりあえず、そのままにして置いてもらって今朝修正。
そうこうしているうちに、レジ担当者から、夕べの集計作業が間違っているとの報告あり。月末にやるべき作業を、なぜか一日の昨日してしまっている。しかも、毎日やるべき精算をしていない。
それらに修正の指示を出している間に、11時になってしまった。今日の出張買取は厚木で2000冊とのことだから、もう出かけなければならない。午前中のノルマとして机の上に載せた本には手が着かずじまいだ。
息子一号と予定通り11時出発。ゴールデンウィーク渋滞がありそうな東名を避けて、中央道から圏央道を通る。渋滞と言うほどの所は、調布までの一般道を除くとほとんどなかった。少し車が多いかなという程度だ。
昼食はお客様宅そばの台湾風中華料理店。定食は900円台で、一人前分のラーメンと八宝菜などのおかずが山盛り、春巻きとデザートまでついている。労働意欲を高めてから、お客様宅をノックする。
本の持ち主は故人で俳句の同人に参加されていた方だそうだ。句集などがたくさんあるので、短冊や掛け軸もあったのではと訊いたが、道具屋さんが先に入って持っていったとのこと。本もめぼしいものは引き取られたあとらしい。
われわれは古典籍からサブカルチャーまで扱う総合古書店だから、他の本屋さんが残したものからでも、たいていは買い取り可能な本を見付け出せる。その本屋さんの考え方にもよるが、我われ以上に幅広く本を拾い上げる業者は少ないからだ。だから、他で断られたものでもぜひ相談してくださいと宣伝している。スカベンジャーでもまだまだ利益が出せることが多い。
しかし、上品な古書店と違って道具屋さんはさすがである。ものの価値に対する真剣さが違う。本に関する知識が我われ以上にあるはずはないのだが、道具屋さんのあとに行くと「高い」と思われる本が残っていることはまずない。美術品も本も同じで、稀少性と美的性質が値段に結びつくのだが、これらを見抜く感性は彼らの方が鍛えられているようだ。我われは知識で勝負するしかないのだが、なかなか、文章の内容が価値になるような思想書などが低迷気味なのは痛いところだ。
ともあれ、500冊ほどを買い取り、同人雑誌などはお客様の方で処分していただくようにお願いして、お宅を辞去。やはり行きと同じに、まだナビには載っていない圏央道を通って店に戻るともう6時過ぎである。
アルバイトの勤務シフトを調整して7時に業務終了。