初日はこっちも疲れるの

今日は新しいアルバイトAK子の初出勤日だった。ついに、わが息子と同じ年の少女を雇うことになった。本人は少女のつもりはないであろうが、自分の息子はいつまでたっても子どもの気がする。同じ年の生まれなら、やはり少女という気がしてしまうのである。ためしにご両親の年を聞いてみた。私よりずっと年上のようで、なんだかほっとした。
私が独立したのは28歳の時だ。最初のころのアルバイトは20代なかばの、やはり独立を目指すフリーターが多かったから、兄弟のような感じであったが、今はすっかり親子関係である。20年近くがたったということだ。
新しい従業員が入るのは、なんとなくウキウキすることだが、それも前日までで、出勤日になるとどうも気が重くなる。人見知りというか、あまり親しくない知り合いと会話するのが苦手だ。「社長、緊張しているみたいですよ」とA副店長が言い、S店長は肩をもんでくれた。
こちらが緊張するぐらいだから、AK子はさらに大変だったに違いない。仕事が終わって、最近買ったらしいiphonを見せに来る。使い方がよくわからないんです、と言いながら番号を教えてくれた。AU子と談笑しながら帰る後ろ姿はまだ元気だ。若いなあ。
しばらくしてから、片付けものをしていたA副店長がよろめきながら出て行ったが、彼女もやはり初対面の人がいて疲れたのだろうか。