解脱衣楓累

前進座公演「解脱衣楓累」http://www.zenshinza.com/index2.htmを見た。
美女が醜女になり身内に祟りをなすが祐天上人に解脱せられるという「累説話」と、僧侶が生きた生首をもって旅をするという伝説が重ね合わされたホラー。鶴屋南北の作だが1984年に前進座によって初演されたもの。
3幕で通してみると筋が混乱しているのは仕方がないか。心中に死にきれず悪人になって行く空月と、死んでも魂になって空月に取り縋るお吉の話(一幕)と、もとは武士であった金五郎と小さんの道行きもの(二幕)、昔の主従関係に取り憑かれた与右衛門と姉に取り憑かれる累の話(三幕)。
それぞれに因縁を断ち切ることができず、過去に生きる人たちを描いているのだが、話の整合性は今ひとつ。別の話としてみれば、なかなかに怖い。
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