腰を痛めた!

金曜日に腰を痛めた。
そういえば二、三日前から腰に違和感があって、仰向けで寝るのが苦しいからうつ伏せになったりしていた。だが、ある意味いつものことでもあるので、特に気にしていなかったが、こんなことになるとは。
金曜日の朝、家から店まで徒歩10分と少しの道のりを急いで歩いた。その時に、足の裏の外側に力が偏っていると多くのトレーナーに言われたことを思い出して、親指から土踏まずを通ってかかとに至る(仮想の)ラインを意識して歩いた。歩きながら、骨盤がゴリゴリいって開くような気がした。しかし、私はまだ何も気づいていなかった。
店に着いたのは9時、開店は11時である。その間2時間のほとんどを椅子に腰掛けて過ごした。メールチェックや、ブログの更新などはたいていこのタイミングでやる。
おかしい。と思ったのは、A店長代理しか今日の早番がいないので、開店作業を手伝おうとしたときだ。なんだか腰が伸びない。ちょうど、店長Sが人手不足を心配して、お休み返上で来てくれたので、私は再び座った。
このままではどんどん悪くなるな、と察した私は息子1号が出勤する13時に店を出て、家に帰って休もうとした。しかし、既に腰はまったく伸びず、やむなく店長Sの自転車を借りて、乗って帰った。自転車は座ったまま運転できるので、腰が痛いときには重宝だ。
そばを茹でてもらって昼食をすました私は、ベッドに入ってすぐに眠ってしまった。気がつくと6時前になっている。疲れていたのだろう。腰にくるのは、疲れのサインか、冷房の使いすぎによる冷えだ、と勝手に解釈した。
その夜のことだ。何時間も昼寝をしたにもかかわらず、夕食をとるとすぐにまた寝てしまったのだが、午前1時ごろになって、家の中で何か言い争う声がして目が覚めた。
伸びない体を手すりにもたせ掛けて階下に降りると、Kと息子2号がもう寝ろ、とか、はいはいわかりましたよ、とか言って争っている。実にくだらないが、こちらも腰が痛いので気が立っている。頭ごなしに息子2号を怒鳴りつけたのだが、逃げるばかりだ。
お控えなすってのポーズ以上に体を伸ばすことができないので、息子2号を追いかけるのは無理だ。いきなり後ろ頭を小突いた。そうしたら、体を丸めて床にへばりついて抵抗する。仕方がないので、首に腕をかけて、そのまま後ろに投げて仰向けにした。据わった状態からなので、もちろん衝撃はなかったのだが、翌朝の私の腰には相当なダメージが残った。
結局、私は息子2号を玄関の外に追い出し、ベッドで寝られるありがたみをそこで噛み締めろと言い置いて、2階へと去った。Kがすぐに玄関の鍵を開けてやったようだが。
次の日の明け方、私は寝返りを打とうとして激痛に目覚めた自分を発見した。隣には誰もいない。声は出るが、呼んでも誰も来てくれなかった。横にも上にも体を動かすことができない。
体をひねろうとすると、腹横筋がつったようになって激痛がしばらく続く。ゆっくり呼吸して、力を抜くようにすると、腹がゆるくなって、痛みもひいてゆく。
少し動いては激痛をやり過ごし、また少し体の角度を変えて激痛をやり過ごし、30分をかけて体を起こし、ベッドの端までたどり着いた。脚を下に降ろすのは重力に従えばいいので佐保その苦労ではなかった。しかし、起きているためには膝に置いた手で上半身を支えていなければならない。角度を調整することで、なんとかドアのノブに手をかけることができた。ドアを開けて大声を出したら、ようやくKが気がついて助けに来てくれた。
しかし、階段を下りるのがまた恐怖であった。うちの階段は上下で180度回転するように設置されている。普段は段を踏み外しても数段で壁に当たる安全な構造だが、体をひねると激痛が走る本日の私にとっては拷問のようなものだ。落ちそうになるのをKに支えてもらいながら、私は階段を下りた。
一階はエアコンがちょうどよく効いている。その冷気にあたって、私は急に尿意を催した。しかし、そのトイレがまたなかなか一人では入ることができない。結局Kに抱えられて便座にすわった。
その後のKは足湯をしてくれたり、肩を揉んでくれたり、献身的な奉仕を私に与えた。足湯などは、マグダラのマリヤに香油をかけられたイエスもかくやというほどの気持ちよさだった。
Kが仕事に去ったあと、私はリビングのソファーに座り、エアコンとテレビのリモコンを手元に置いて、トイレが恐ろしいので、あまり水分を取らないようにして、過ごした。昼飯にはKが一度帰って来てくれて、ペペロンチーノを作ってもらった。
Kも息子たちもいないので、ただテレビを見てすごした。
翌日の日曜日は少しましだった。階段を降りるときは後ろ向きなら何とかなることを覚えた。トイレにも自分で行けるようになった。家族がネットで調べ物をするのに使っている古いパソコンの動きが悪くなってるので、データのバックアップをとりwindowsを再インストールした。
息子1号が借りてきた「新耳袋」のビデオを一緒に見た。「バカ社長論」などの本も読んだ。よくある通俗経営学の本だが、腰が痛くて調子が悪いので、この程度の本しか読む気がしない。
夕食は通販で買ったレバ、ロース、ハツ、ミノ、センマイのすべて刺身、というメニューだ。少し元気が出た。
そして今朝、やはり寝返りには激痛と恐怖が付きまとう。だが、しばらく休んだので、元気は出た。ベッドの頭の上の桟をつかんで、体をずりあげることも覚えた。
数日間手にばかり力を入れたので、肩から腕にかけて筋肉痛になったが、たいしたことはない。腰が動かないので、背中がずっと丸まっていて、こってきた。このまま腰が曲がって固まるんじゃないかと恐ろしい。
今無理をすると、せっかくよくなってきたのが木阿弥になるかもしれない。仕事は今日も休もう。
今朝の体重55.9kg