絶版文庫をたくさん出した

世田谷区の小学校が予定していた「横尾忠則・冒険王」展(世田谷美術館)の見学を取りやめたそうだ。裸体やナイフを持った少年が描かれていて「小学生にふさわしくない」「過激すぎる」というのがその理由。
ばかな話だ。そもそも、芸術は道徳ではない。きれい事や、合理的な思考では収まりきれない、人間の一面を表出するのが美術や文学ではないのか。性的なものや、暴力的なものを回避するなら、美術鑑賞はもともと成り立たない。
大人のみならず、子どもも物心ついたころから性的な世界に生きている。即物的な表現は子どもを傷つける危険性があるが、性的な暗喩を愉しむことはできると、心理学者も言っているではないか。ましてや、暴力に関しては、ナイフを持った少年を見せなければ、少年がナイフで人を傷つけなくなるなど、なんの根拠もない。
少年の自己理解や衝動の昇華に役立つはずの芸術鑑賞をとりやめて、道徳的な仮面ばかりを教え込むことで、むしろ鬱憤が溜まっておかしなことになるんじゃないかと心配だ。まあ、芸術の鑑賞など、学校で連れて行ってもらうのではなく、自分でかってにやった方がいいのだけれども、まわりの環境でそれが充分にできない子供たちもいるのではないか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008051602011818.html
本日は、主に文庫の値段付け。「日本SFこてん古典」や「黒いアリス」など。文庫は小さいくて作業量のわりには体積が減らないので、めんどうだから、後回しになりやすい。久しぶりに溜まっていた絶版文庫の未整理品を一掃である。実際に店頭に並ぶのは、従業員がデータベースに登録したあとなので、数日ののち。
お昼に抜け出して、東急百貨店横、「百年」さんのお店の近くで開催中の「ごちゃまぜ古本マーケット」を見に行った。「がらんどう」さんがひとりで店番をしていた。お客さんはほとんどが女性、店番も女性という不思議な即売会。売れているものは料理や手芸の本だという。ついでに「まめ蔵」のカレーを食べる。御飯を遺すのを忘れて完食してしまった。
体重55.5kg。