某古書店の片づけ

開店前の店には、前日の夕方届いたらしき運送屋さん集荷の荷物が6箱。まずは、買取価格の査定。
阿佐ヶ谷の某古書店が閉店。片づけを頼まれたので、S店長とともに12時過ぎに出発。阿佐ヶ谷にはかつてよみた屋のお店もあった。懐かしいラーメン店で食事をしようと思ったけれど、なくなっていたので、タイ料理店サワディのランチ。そこで、某古書店のカギを忘れたことに気づき、お店に電話して、女店員Kに届けてもらう。みんなのお昼休憩が30分遅くなってしまった。ごめんなさい。
店に残ったものを、全部神田の市場に出すというミッションである。運送屋さんは頼んであるが、取引できるように品物を仕分けて、入札封筒を付けておかなければならない。
S店長と二人でやれば2時間ぐらいで終わる、と豪語していたが、ただ縛ればいいと言うものじゃない。市場に出して、なるべく高く落札されるようにしてあげたいので、ああでも無いこうでも無いと、ついには喧嘩をしながら仕分け。
最近、S店長と二人で品物を仕分けしていなかった。たいていはA店長代理とか、男店員Aとかとやっている。彼らは私の助手みたいな感じでやってくれる。だが、S店長は15年のキャリアがあるので、自分の考えややり方があって、意見が対立しがちなのだ。
普通なら、とにかく細かく分けて、高いものは高いもの同士、入札してくれる書店を想定しながら、組み合わせを考える。けれど、今回は片づけものだから、なるべく取引不成立がないように、組み合わせの大きさを調整しなければならない。
※神田の市場では、一般書の場合は、一冊づつ取引ということはほとんどなくて、数冊から数百冊をまとめて、4~5桁単位の金額で取引する。仕分けとは、東洋美術、生物自然、詩歌、といった各種専門店が買いたくなるように、品物をまとめていくこと。あまり細かく分けすぎると、誰も買い手のつかない「あまり」ができてしまう。
途中、コンビニで買ったケーキを食べながら休憩して、すっかり縛り終わったのが、6時ごろ。5時間ぐらいかかってしまった。それから、あとで組み合わせがわからなくならないように注意深く入札封筒を付けたら、すでに7時である。
S店長は夕飯の寿司を買いにロンロンへ、私は一日中店を空けたので、溜まった買取などを見るために店に行く。日曜日にお休みをいただいて、その後3日間ほとんど外勤でお店を留守にしっぱなしである。3日ともS店長を伴っていたし、内2日は唯一の店長代理であるA店長代理の休日にあたっていた。お客様にはご不便をおかけしたと思う。勤務態勢を考え直さなければ。
それには、二人目の店長代理が不可欠だ。現在平店員の男店員Aは、現在買取査定の練習中。試しに査定してみて、私の価格との差額が2割以内になれば合格である。結果は、200円vs.2000円、500円vs.4000円、500円vs.200円。まだまだである。
Kはよほど疲れたのだろう、洗った髪を乾かしもせずに寝入っている。風邪を引くといけないから、起こしてドライヤーを使わせようかと思ったが、そうすると今度は寝付けなくなりそうなので、タオルで軽くふいてよしとしよう。子守歌は、きのうのグールドの流れで、同じ演奏者のベートヴェン、ソナタ集。ところが、悲愴、月光、熱情、という組み合わせがよくなかった。だんだんに激しくなる曲想では眠れたものではない。そのうち、窓の下で少年少女が会話を始めた。大声だ。うるさいぞ。
目が覚めてしまって、階下に降りると、息子2号はソファーでうたたね。朝寝坊した1号はゲームをしてる。嫌な顔をしていると、1号が2号をベッドに追いやってくれた。おやすみ。
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松月庵前にて 体重55.7kg