店長の机の回りを片付ける
井の頭公園を歩いてから開店直前の店に到着。まず、きのう査定した本の持ち主に連絡を取ってもらい、売価付を始める。正直言って、出版から10年以上経った本の場合、まともな値段で売れるものの方が少ない。半分以上が店の外の100円均一に並ぶことになる。古書の値段は需要と供給で決まるので、供給が多い本、すなわち新刊でよく売れた本は高額にはならない。ではあまり売れなかった本はと言うと、元もと需要が少ないのだから、これまた売れにくい。その隘路を通り抜けた本だけがプレミアムな古書になるわけだが、そういう本は発行部数が少ないわけだから千冊に1冊2冊というような確率だ。そこまででなくとも、定価の半額程度で売れる本なら歓迎である。
店長の机の回りを片付けると約束したので、それをとにかく進める。大判の実用書など、不得意なものが多い(だから店長の所に溜まっていたのだ)ので、時間がかかる。
昼食は、最近コメの飯を食べていなかったので、吉野家に行ってネギ玉子牛丼。店長はバラ肉と野菜の焼き鍋みたいなのを頼んだが、あまり好みの味ではなかったというので、シェアする。あまりにすぐ終わってしまったので、そのまま店に帰らずジュンク堂で立ち読み。立ち読みだけにすればよかったのだが、講談社選書メチエの一冊と、柄谷行人『トランスクリティーク』の岩波現代文庫版を買った。なんどか店でも扱っている本を新刊で買うのは何だかシャクだ。最近同じ著者の『世界史の構造』を、これは出版されたばかりの新刊で買ったのだが、『トランスクリティーク』の続編という扱いだったので、どうしても読みたくなってしまったのだ。
ジュンク堂では書店ガールの特製カバーが選べるが、普通のにしてもらった。原作の舞台が吉祥寺だから撮影をこの店でしているらしい。実は当店にも撮影の話があって、下見の写真も撮っていった。どんな女優が来るのかと待っていたが、当日は現れなかった。きっと、イメージが違うとかで他で撮影することになったのだろうけれど、それならそうと言ってほしい。
午後も文庫の値付けなどをして、今度は自分の机の回りを片付け始める。連日残業で疲れたので、今日は7時で終了。
今日がメーデーであることをすっかり忘れていた。それで、人出が少なかったのだろうか。さて、明日は2000冊の出張買い取りだから早く寝よう。