不動産屋さんの買い取り
宅買いの出張先は、リフォームや引っ越しを間近に控えていることがよくあります。すでに引っ越しの荷物が段ボールに梱包され、本だけが残ってたり、解体寸前の廃屋から本を救い出すこともしばしばです。そのようなときには、道具屋さんや大工さんと同時にお宅に入り、お互いに邪魔しないように作業することもしばしばです。お客さんは休みを取って業者への対応に当たるため、なるべく同じ日に済ましてしまいたいのでしょう。
数ヶ月前に行ったそのお宅は古いマンションの部屋でした。まだ家財道具は残っていましたが、すでに住まわれている方はいないようでした。親戚と思われる5、6人が集まって、部屋の片付けをしているようでした。そこではち合わせしたのは不動産屋さんでした。どうもお住まいだった方がなくなるか、老人施設に入るかして、部屋を手放す相談のようです。
こちらは、そのお話しとは別の部屋で本を縛っていたのですが、不動産屋さんの説明が聞こえてきました。
最近、同じ建物の中で売り出されていた物件は1500万円だった。しかし、あちらは南向きだが、こちらは西向きなので少し安くなる。また築後30年程度経過していて、内装が古びているのでリフォームに数百万円かかる。販売するのには宣伝や営業などのコストが必要。さらに当社の利益も引くと、買取価格はズバリ500万円です。
ただし、それは不動産業者が買い取る場合の値段。当社が買い取らず仲介だけをして、直接買い手に売ればもっと高く売れるでしょう。その場合は売却に時間がかかります。また、宣伝費はオーナー持ちです。
とのこと。住人のご家族は、不動産屋さんの買い取りを選択されたようでした。何だか古本屋の買い取りとさほど違わないなと思いました。