友達がいない理由

値段をつけながら『行動経済学』という本を読んでいて、愕然とした。
(標準的経済学がモデルとする)「経済人というのは、超合理的に行動し、他人を顧みず自らの利益だけを追求し、そのためには自分を完全にコントロールして、短期的だけではなく長期的にも自分の不利益になるようなことは決してしない人々である。」
とのこと。実際にはそのような人はいないので、実際の人間の行動に即した経済学を構築しよう、というのが「行動経済学」らしい。
その本の最初に「合理的で利己的な経済人」の人間像を明らかにするということで、いくつかの問題が載っている。
1から100までの整数のうち、ほかの選択者の平均値の3分の2に最も近い整数を選んだ者の勝ち(ただし、全員がルールを知っている)、というゲーム。
1000円を渡されて、見知らぬ誰かと分けるように言われる。ただし、相手には拒否権があり、受諾されたら提案どおり分配されるが、拒否されたら二人とも没収になる。いくら渡すと提案するか。
などという問題である。私の答えは秘すが、「経済人」のモデルと同じ答えであった。確率の計算を要する問題は間違うものもあったが、方向性としては「合理的で利己的」に考えようとしていた。特に「1から100までの整数」の問題は、他の人も「経済人」のように考えると思っていないと、私の回答には達しない。
ところが、そのような回答をする人はほとんどいないそうだ。しかるに、わたしは自分が「経済人」であるだけではなく、他の人も当然そのように考え行動すると思っていたのだ。
試しに身近な人に聞いてみたら、誰も私のようには回答しないし、そのような答えをするとは信じられない、と絶句されてしまった。世に中にはもっと大切なことがあるのだ、と。
自分に友達がいない理由がわかった気がした。
昼食はS店長とA店長代理と三人で、そば店「M」に行ったのだが、異常な愛想の悪さ。最後に水をもらおうとしたのだが、店員があまりに怖いので懇願調になったら、S店長に大笑いされてしまった。
夕飯はA子A男と3人で、台湾料理店「高雄」。牡蠣爆、レバーの唐揚げ、ピータン、排骨青菜、おこげ、フカヒレ餃子など。関帝紹興酒のデキャンタ、誕生日プレゼントの瓶詰め紹興酒など。