古本屋のやり方を教えるのが趣味だから

最近、新刊書店でも古本を置こうという動きが目立っている。
多くの新刊書店で、新刊を売るだけでは利益が出ていないのだという。新刊の利ざやは20%がふつうで、大手書店なら販売報奨金などのキックバックがあるが、それでも25%に達することは少ないだろう。その程度の粗利では、家賃と人件費を払ったら何も残らないということらしい。
そこで、ほかの商売を組み合わせて利益を稼ごう。古本なら50%以上の利ざやがあるから、うまくやれば儲かるかもしれない。
ということで東販(本の卸売商社=取次店)の人が新刊書店での古本販売について話を聞かせてほしいという。ぼくは古本屋の中では数少ない(?)グラスノスチ派で、古本屋のやり方を教えるのが趣味だから、食いつくようにして話をしに行った。
古書店では、仕入れが大事なこと、古書の市場に参加するためには組合に入らなければいけないこと、古書店の形態には一般書中心の「新古書店」型と、専門書中心の「本格古書店」型があること、新古書店では近隣同業と競争になるが、本格古書店は商材が競合しないため共存共栄できることなどを話す。
無料集荷の本2件、9箱。井上靖全集など。
夕方、国際子ども図書館の人が「コドモノクニ」を見に来る。大阪の子ども図書館にはほとんど完璧なセットがあるらしい。当店の49冊のうち完璧またはそれに準ずる物は17冊。残りの32冊は何らかの難があるとのこと。中に「お母様へ」というような更紙の冊子が入っているのだがこれのページが欠損しているなどのことである。普通は絵本としての本体と関わりないので、あまり気にしない部分だが。
夜は安い焼き肉屋でA男A子と、最近「日本の古本屋」の成績が異常に悪いことの原因などを話す。ビール4杯。12時帰宅。