ジャスミン
出張買取の予定は4件だったが、一件はキャンセル。
成蹊大近くの大きなお宅では、敷地内の母屋と別棟間の引越しだそうだ。あまりにお宅が広いために、運び出しが困難。「こどものとも」など蔵書のごく一部だけを引き取らせていただく。店の真ん中に石臼のある蕎麦屋で簡単に昼食。
最初にゆく予定だった井の頭公園のほとりのお宅は、メーデーのデモのため道路が封鎖されていて入れず、2番目に。ご案内の通り大量の本がありました。雑誌「日本の美術」、「ALAN」、中原淳一の画集、内田善美など。マンションなので、台車が使えるため運び出しには苦労なし。というか、A店員がどんどんやってくれるようになった。個人的に知り合いでない人に「ブログ読んでます」と言われたのは初めて。写真を撮られてちょっと緊張する。
作業中に、3件め予定のお客様より、到着予想時刻より遅いとのおしかりの電話あり。
2,3日前に「段ボール一箱程度だが」ということなので、他へ回るついでにうかがいましょう、という気持ちで受けてしまったのがまずかったのか。自分か配偶者かが一日中いるので、というお話だったので安心していたのだが、当日になって何時ごろになりそうかというお問い合せがあった。順番とコースを説明して、お宅に伺って作業するのでどのくらい時間がかかるかは行ってみなければわからないので、大雑把な目安です、と丁寧に説明したので安心していたが、本が少ない人ほど時間に厳しいことを忘れていた。
家中にいっぱいある本を処分するような場合、お客様も一日仕事だと覚悟していただいていることが多いが、ほんのちょったした片づけものなら、本屋を長く待つなんてしたくないのも無理はない。
しかし、「おまえは死んだ方がいい奴だ」とまで言われたのは驚いた。聞けば私立大学の教授だという。言葉を商売道具にする職業だ。自分の武器を何と軽く扱うものよ。
車一杯になった品物をいったん降ろして、杉並のお宅に。貸家だとのことだが、作りつけの本棚がある。「かわった大家さんだよね」とはお客様の弁。傷寒論など。
A店員、店長代理Aをつれてラオス料理「ランサーン」へ。二人とも辛いもの苦手だったが、無理矢理カレーなどを食べさせて鍛えたので、遂に東南アジアの味覚に到達。とは言え、ヤムヌア(牛肉のおかずサラダ)、ソムタム(パパイヤのサラダ)などはかなり苦しむ。10時半帰宅。
前日に長く寝過ぎたせいか、なかなか寝付かれない。久しぶりにKの寝顔を眺める。
寝付かれぬ まぶたのうらに うつくしき 妻の寝息を 七つ数える
次男が手に入れて来たジャスミンを、ガーデニングの仕事をしているKの妹が植えてくれた。それが、今年はジャングルのように群咲いている。