お爺さんじゃありませぬ。
よみた屋では、おじいさんの本、買います。キャンペーンをずっとやっている。現役を退いた世代の本を、次の世代に残しましょう、という趣旨である。そのせいか、よみた屋の代表である私を「おじいさん」だと思っている人がいる。たしかに私は20歳のときからこの世界にいるので、20年以上のキャリアがあることになる(本屋としては、まだ鼻たれ小僧の域だ)が、おじいさんというにはまだ早い。
よみた屋を始めた頃は20代だったので、当時めずらしい「ワカモノ系古本屋」として鳴らした。同じ世代が少なかったせいか、結構うけたものだ。女性のお客さんも大勢ついた。センスのいい本屋という感じがしたのだろう。しかしさすがにもう苦しい。かといって、安心して本を任せられる経験豊かな老人というイメージづくりは、まだ無理だ。
悩み多き中年世代である。